従来の薬剤に加えて最新の薬剤を用いての治療を受けていただける日本皮膚科学会認定施設です。
アトピー性皮膚炎Atopic dermatitis
アトピー性皮膚炎とは?
日本皮膚科学会の「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024」では、「アトピー性皮膚炎は、増悪と軽快を繰り返す、瘙痒(かゆみ)のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くは「アトピー素因」を持つ」と定義されています。「アトピー素因」とは、①ご自身やご家族の方に、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎、アトピー性皮膚炎のうちいずれか、あるいは複数の疾患がある、または② IgE 抗体(血液検査)を産生しやすい体質とされています。
原因について
①バリア機能異常、②アレルギー性炎症、③かゆみ、の三者が相互に影響し合うことで病態が形成されると考えられています。
皮膚だけの病気?
目の周りの痒みのために、まぶたを掻いたり、擦ったり、叩いたりすることにより網膜剥離となり、最悪の場合失明することもあります。アトピー性白内障にも注意が必要ですので、定期的な眼科受診もお考えください。
また皮膚の症状が悪いと、皮膚から細菌が体内に侵入し、骨髄炎や感染性心内膜炎などの重篤な感染症を引き起こすことがあります。
治療について
従来からの治療としては、塗り薬(ステロイド、保湿剤など)、飲み薬(免疫抑制剤)、光線療法があります。当院では全身型ナローバンドUVB療法やエキシマランプによる紫外線治療が可能です。
新しい治療について
経口JAK阻害剤(オルミエント®、リンヴォック®、サイバインコ®)や生物学的製剤(デュピクセント®、アドトラーザ®、イブグリース®、ミチーガ®)による治療が広まってきています。当院は日本皮膚科学会認定施設であり、これらの薬剤による治療が可能です。なおこれらの治療を希望される場合、①当院で6ヶ月以上のステロイド外用剤による治療を受けていただくこと(ミチーガ®は、1ヶ月以上のステロイド外用剤と抗アレルギー剤による治療)、②重症度が中等度以上の方という(健康保険上の)基準を満たす必要があります。
医療費について
新規開発されたこれらの薬剤は、従来の薬剤に比べると高額となります。1ヶ月あたりの薬剤費は薬剤により異なりますが、1~3万円以上かかります。治療費に対しては、確定申告による還付(一定額以上の医療費がかかった場合)、高額療養費制度や付加給付制度(健康保険組合や共済組合が独自に設けている医療費の補助制度)などを利用することにより、減額可能となることがあります。
尋常性乾癬Psoriasis Vulgaris
尋常性乾癬とは?
尋常性乾癬とは、境界のはっきりした赤い発疹で、銀白色の麟屑(カサカサした厚いカサブタ状のもの)が付着しています。かゆみが伴うこともあります。発疹は主に慢性的かつ機械的な刺激を受けやすい頭部、肘・膝、臀部、下腿などにできます。皮膚以外にも、爪の変形(爪乾癬)や関節炎(乾癬性関節炎)を伴うこともあります。
原因について
乾癬の病態については、体質的な要素(遺伝的素因)に気候、ストレス、風邪、喫煙、飲酒、食生活などの(環境因子)が加わることにより発症すると考えられています。
細胞レベルでは、樹状細胞、T 細胞(Th17細胞)、皮膚角化細胞が病態形成に関与しており、それらの細胞から産生されるTNF-α、IL-12、IL-17,、IL-23などのサイトカイン(液性タンパク質)が病態に深く関わっていることが明らかとなっています。これらのサイトカインが細胞に刺激を与えると細胞内ではJAK-STAT経路を介して遺伝子レベルでの変化が起こり、乾癬の症状が形成されます。
皮膚だけの病気?
乾癬は皮膚のみならず、全身にも病気を引き起こすことが知られるようになりました。代表的な病気として、心血管障害(心筋梗塞や脳梗塞など) 、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)、肥満などがあります。乾癬に伴うこれらの病気のことを併存症と呼ぶようになり、皮膚病としてだけの「乾癬」という考えではなく、併存症を伴う「乾癬病」という捉え方をするようになってきています。新しい治療は皮膚のみならず全身の炎症をコントロールする点からも画期的な治療となっています。
治療について
従来からの治療としては、塗り薬(ステロイド、活性型ビタミンD3、保湿剤など)、飲み薬(免疫抑制剤、レチノイド、アプレミラスト(オテズラ®))、光線療法があります。当院での光線療法は全身型ナローバンドUVB照射装置とエキシマランプを使用しています。
新しい治療について
上記の細胞レベルの病態に基づいて、JAK阻害剤(リンヴォック®)、TYK2阻害薬(ソーティクツ®)や生物学的製剤による治療が広まってきています。
当院はこれらの薬剤を用いての治療が出来る日本皮膚科学会認定施設です。なおTNF-α阻害薬(生物学的製剤)は当院では扱っておりません。
代表的な生物学的製剤
| 薬剤名 | 商品名 | 作用機序 |
|---|---|---|
| セクキヌマブ | コセンティクス® | IL-17A阻害 |
| イキセキズマブ | トルツ® | IL-17A阻害 |
| ブロダルマブ | ルミセフ® | IL-17受容体A阻害
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| ビメキズマブ | ビンゼレックス® | IL-17A/F阻害
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| ウステキヌマブ | ステラーラ® | IL-12/23p40阻害
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| グセルクマブ | トレムフィア® | IL-23p19阻害
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| リサンキズマブ | スキリージ® | IL-23p19阻害
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| チルドラキズマブ | イルミア® | IL-23p19阻害
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医療費について
新規開発されたこれらの薬剤は、従来の薬剤に比べると高額となります。1ヶ月あたりの薬剤費は薬剤により異なりますが、1~3万円以上かかります。治療費に対しては、確定申告による還付(一定額以上の医療費がかかった場合)、高額療養費制度や付加給付制度(健康保険組合や共済組合が独自に設けている医療費の補助制度)などを利用することにより、減額可能となることがあります。
